2016年12月22日木曜日

米株は峠か?

こんにちは。トランプ当選後の相場がすごいですね。

でもそろそろ峠では? という兆候もでております。自分が注目しているのはS&P500株価($SPX)と米国30年債価格($USB)の比率です。週足で見てみましょう。

$USB:$SPX Weekly
その比率は現時点で0.066。チャート中の横線は緑が1σ、ピンクが2σです。0.066は2σからも逸脱しています。珍しい状態なわけです。どれくらい珍しいか?上記チャートを作成したStockChartはお金を払うことで過去データのダウンロードができます。そしてダウンロードしたデータを元に1978年以降の$USB:$SPX比率を調べてみました。現在の0.066を下回ったのは全部で25回。内訳は
  • 1999/11/15
  • 1999/11/22
  • 1999/11/29
  • 1999/12/06
  • 1999/12/13
  • 1999/12/20
  • 1999/12/27
  • 2000/01/03
  • 2000/01/10
  • 2000/01/18
  • 2000/01/31
  • 2000/03/13
  • 2000/03/20
  • 2000/03/27
  • 2000/04/03
  • 2000/04/24
  • 2000/05/01
  • 2000/05/08
  • 2000/05/15
  • 2000/05/30
  • 2000/06/19
  • 2000/07/03
  • 2000/07/10
  • 2000/08/28
  • 2016/12/12
の週だけなんですね。そしてほとんどが2000年前後のドットコムバブルに集中していることがわかります。また2007年頃のサブプライムバブルではこの水準には一度も到達していなかったことも注目したいです。今の株式相場はサブプライムバブルは越えている、わけですよ。

そして現状は「1978年以降2034週間のうち25週しかなかったレベルにいる」わけですから、かなり異常な状態であることは理解できます。

では米国は峠なのでしょうか?

正直言ってわかりませんwww この先考えられるのは
  • 調整が入り、債券が買われて株が売られる。ただしある程度押しが入ったら再び株が買われる。債券と株の価格比率は基本的に高止まり。
  • 債券と株の価格比率は調整が入るが、株はそれほど下げない。すなわち、株も債券も買われる展開。
の二種類だと思ってます。後者は「ドル資産ならなんでも買い」みたいな展開で、かつての日本のバブルみたいな時代がくるかもしれません。まあその場合は持続不能でクラッシュが待ってるのでしょうけど、それがわかるのはまだまだ、まーだまだ先でしょう。

とはいうものの、目先はどう考えても株が買われすぎですよね。クリスマスラリーにはあまり期待しないようにしております。

参考までに2000年前後のチャートも貼っておきますね。


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2016年11月29日火曜日

OptionM8新バージョン

新しいバージョンのOptionM8を公開しました。


今度のバージョンでは「金額ベースでの建玉(OI=Open Interest)」を表示できるようにしました。また、オプション価格のチャート(日足・60分・5分・1分)にVWAP(出来高荷重移動平均)も表示できるようにしました。これらの機能はOptionM8独自のものです。

金額ベースのOIにより、あるStrikeのオプションがネットロングなのかネットショートなのか、そしてそれらのポジション総額はいくらなのかを知ることができます。

また日足のオプションチャートのVWAPを見れば、そのStrikeのオプションが「全体として」ロングサイドに利益がでているのか、ショートサイドに利益がでているのかを推定できます。

ネットショートなStrikeがIn the Moneyに入り、ショート筋が損失を出し始めたら彼らはオプションを買い戻すか、現物のヘッジ買い(Callの場合)もしくはヘッジ売り(Putの場合)に追い込まれる可能性が高くなります。すなわち、オプション価格上昇の確率が高まります。


画面下部メニューからOpen Interestをタップ
画面上メニューからTickerとExpiration日を選択
→Open Interestチャートが表示される

三段目が金額ベースOIチャート
緑はCall 赤はPut
221.5Callと222Callがネットショート
画面下メニューからDailyチャートを選択
画面上メニューからTicker, Expiration日, Call, Strike価格を選択
→Dailyチャートが表示される

二段目が当該Callの日足チャート
赤い曲線はBidベースのVWAP(Call売り方VWAP)
緑の曲線はAskベースのVWAP(Call買い方VWAP)
→Call買い方は踏み上げられており、引き続き力強い展開が期待できる
逆にネットロングなStrikeがOut the Moneyにいて、なおかつロング筋が損失を出し始めたら、彼らはオプション価格がVWAPを越えるあたりで「やれやれ」の損切をする確率が高くなります。CallならそのStrikeが株価の上値抵抗線に、PutならそのStrikeが株価の下値抵抗線として働くようになります。
下部メニューからOIを選択
画面上部メニューからTickerとExpiration日を選択

三段目の金額ベースOIに注目
Putの219が大幅ロングになっていることがわかる

そのPutの日足を見ると...

二段目がPutの日足チャート
VWAPよりはるか下で、ロング筋は損を抱えていることがわかる
→「仮に」219までSPYが下げたらそこは絶好の買い場

今回、サーバ側処理が重いので全機能を利用するには月額$49.99の使用量をいただくことにしました。Twitter認証でログインしていただいた場合は直近Expirationのみという製薬はつきますが無料で利用できます。ただし広告がちょくちょく表示されるかもしれません。ご了承ください。


2016年7月12日火曜日

2016/07/11 引け後の分析と今後の展望

今後の見通し


今日の振り返り
SPY 5m

今日のSPYは金曜の買われすぎ分をガス抜きする展開でした。見事なNegative Divergenceを形成しています。明日はS2-R2までがぐっと圧縮されており、上値の重さを予想させます。ここでショートしてもすぐ踏み上げられるだろう、ということを皆さん理解した場合、相場はどっちに行きますかね?

全体観


$NYADは続伸。
NYSE値上がり銘柄数=2062  値下がり銘柄数=936。
$NYHLも続伸。再び+3σに接近。
SPY:RSP比率は続落。

PPO/RSIで見るトレンドと売られすぎ・買われすぎ分析

SPY(大型株ETF)
IWM(小型株ETF)
JNK(ジャンク債ETF)
PPO月足
売り
売り
買い
RSI月足
65
57↑
59
PPO週足
買い
買い
買い
RSI週足
63↑
62↑
71
PPO日足
買い
買い
買い
RSI日足
62↑
62↑
67
PPO二時間足
買い
買い
買い
RSI二時間足
70↑
73
73
PPO一時間足
買い
買い
買い
RSI一時間足
69↓
75
73

CVI/STVO/VTOで見るトレンドと売られすぎ・買われすぎ分析
$SPX CVI
$SPX STVO
$SPX VTO

CVIは小幅反落。超短期的にはかなり買われすぎ。
STVOは続伸。短期的には買われすぎサインだけどSTVOのモーメンタムを示すSTO-BやSTO-Vが再び上向きへ。
VTOも続伸して+1σ越え。中期的にも買われ過ぎ。

押し目待ちに押し目なし。でも、押しを待って買うほうがいいでしょうね。

オプション建玉と大口取引
SPY OI 07/15

SPY OI 07/22

SPY DWV 07/15

SPY DWV 07/22


おまけ S&P500の注目銘柄

ロング...FBHS, NRG
ショート...HUM(先週もショート注目してました)
HUM

2016年7月11日月曜日

2016/07/08 引け後の分析と今後の展望

今後の見通し

押し目待ちに押し目なし。S&Pは押しが入らず上に抜けてしまいましたが、それでも07/11週はヨコヨコもしくはやや下げる展開を予想しています。SPYの金曜終値は212あたりを想定。

今日の振り返り
SPY 5m

今日のSPYは雇用統計を受けてGap Up。そのまま振り返ることなく高値引け。Raff Channelは延長。ただ、日足で見るとOn Balance Volumeが横ばいなのがちょっと懸念事項。
SPY Daily

全体観
$NYAD
$NYHL
SPY:RSP

$NYADは続伸。
NYSE値上がり銘柄数=2698  値下がり銘柄数=338。
$NYHLも続伸。
SPY:RSP比率は続落。

$NYHLの下げが気になっていましたが、金曜の雇用統計はその不安を吹き飛ばすくらいの破壊力を持っていました。

PPO/RSIで見るトレンドと売られすぎ・買われすぎ分析

SPY(大型株ETF)
IWM(小型株ETF)
JNK(ジャンク債ETF)
PPO月足
売り
売り
買い
RSI月足
65↑
56↑
59↑
PPO週足
買い
買い
買い
RSI週足
62↑
60↑
70↑
PPO日足
買い
買い
買い
RSI日足
60↑
59↑
67↑
PPO二時間足
買い
買い
買い
RSI二時間足
69↑
68↑
75
PPO一時間足
買い
買い
買い
RSI一時間足
72
71
78
相変わらずJNKの強さが目立ちます。ただし超短期的にはいずれも買われすぎなので、ガス抜きは避けられないでしょう。地合いが強いのでそれほど下げることはないと思われます。

CVI/STVO/VTOで見るトレンドと売られすぎ・買われすぎ分析
$SPX CVI
$SPX STVO
$SPX VTO

CVIは反発。超短期的にはかなり買われすぎ。
STVOは小幅続伸。短期的には買われすぎサイン。STVOのモーメンタムを示すSTO-BやSTO-Vは下落。
VTOも続伸して+1σ。中期的にも買われ過ぎ。

押し目待ちに押し目なし。でも、押しを待って買うほうがいいでしょうね。

オプション建玉と大口取引
SPY OI 07/15

SPY OI 07/22

SPY DWV 07/15

SPY DWV 07/22

15日は月次オプション締めです。Max PainはOIチャートからは読みにくいですがだいたい212あたりにあります。

おまけ S&P500の注目銘柄

ロング...AYI, GGP, TXN
ショート...なし

2016年7月8日金曜日

2016/07/07 引け後の分析と今後の展望

今後の見通し

明日の雇用統計がどうなるかはわかりませんが、S&P500はしばらく押しが入ると予想しています。

今日の振り返り
SPY 5m

今日のSPYは寄り天。Positive Divergenceの中をずるずると下げ、5日移動平均がサポートとなって反発。VWAPで蓋をされて、昨日とほとんど変わらない水準で終了。

昨日に引き続いての5日移動平均サポートですが、その5日移動平均もなだらかになっており、次のテストではブレークダウンする可能性がでてきました。

全体観
$NYAD
$NYHL
SPY:RSP

$NYADは小幅続伸。
NYSE値上がり銘柄数=1634  値下がり銘柄数=1351。
$NYHLも小幅続伸。
SPY:RSP比率は小幅続落。

$NYHL(52週高値更新銘柄数 - 52週安値更新銘柄数)は先週ピークをつけ、その後徐々に値を下げています。これがS&P500史上最高値よりちょっと下で発生した、という点に注意が必要です。$NYHLが下がり続けているということは、高値をつけた銘柄が(利確売りなどで)徐々にさげているということです。短期的に買われすぎな状況で$NYHLが再度高値更新するような勢いを得るには、よほどのニュースがないと厳しいと思われます。

一旦は押しが入るほうが健全でしょう。

PPO/RSIで見るトレンドと売られすぎ・買われすぎ分析

SPY(大型株ETF)
IWM(小型株ETF)
JNK(ジャンク債ETF)
PPO月足
売り
売り
買い
RSI月足
63
54
56
PPO週足
買い
買い
買い
RSI週足
58↓
56↑
67↑
PPO日足
買い
買い
買い
RSI日足
55
52
60↑
PPO二時間足
買い
買い
買い
RSI二時間足
58↓
56
62
PPO一時間足
売り
売り
売り
RSI一時間足
56↓
56↓
61↓
相変わらずJNKの強さが目立ちます。

CVI/STVO/VTOで見るトレンドと売られすぎ・買われすぎ分析
$SPX CVI
$SPX STVO
$SPX VTO

CVIは反落。
STVOは続伸。短期的には買われすぎサイン。STVOのモーメンタムを示すSTO-BやSTO-Vは下落開始。
VTOも続伸して+1σ。中期的にも買われ過ぎ。

明日は雇用統計が発表されます。雇用統計の中身に私は興味はないですが、市場がどう反応するかには興味があります。そしてチャートから推定できるのは「雇用統計の結果は『売るための理由』に使われやすそうだ」ということです。

オプション建玉と大口取引
SPY OI 07/08

SPY OI 07/15

SPY DWV 07/08

SPY DWV 07/15


明日のSPYオプション建玉はPut側に偏っていますが、DWVからは大量のコールが売られたことがわかります。雇用統計がどうなろうが、SPYはこれ以上上がらない、と大人達が考えている証拠です。

おまけ S&P500の注目銘柄

ロング...CBS, PHM
ショート...HUM, PSX