バイナリーオプション取引の「ハイ・ロー」も、値段が「上昇する」か「下落する」かを予測し、その後の「値動き」に応じて「利益か損失」が確定する点は同じだが、「損益金額」は「値幅」によって変動することなく固定される。またレバレッジが無いので追証が無いのも特徴。よって、「最大損失額」を限定して取引できる。(強調部分は筆者による)
ただ、国民生活センターは「一見すると簡単な取引に見えるが、リスクの高い取引である。短期間に繰り返し取引した場合、損失額が大きくなるおそれがある」と警告している。
このバイナリオプションと全く同じではないですが、かなり近いトレードはオプションアカウントを持っていれば自分で作れます。米国の場合はMargin Accountでかつ一定の残高が必要です。詳しくは取引先の証券会社に問い合わせてください。
そのバイナリオプションに近いトレードですが、同一期限で異なる行使価格のオプションを組み合わせることで実現できます。全部で四種類の取引があります。
- Bullish Call Spread
- Bearish Call Spread
- Bullish Put Spread
- Bearish Put Spread
Bullish Call Spread
方法: 価格Xのコールを買い、Xより高い価格のコールを売る。
例(面倒なので手数料や税金は省略してます。あとBid-Askの乖離も考慮してません):
- 05/27 SPY 206.00Cが$0.68。これを10枚買う。
- 05/27 SPY 207.00Cが$0.31。これを10枚売る。
- トレード時に払う代金(Debit)は (0.68-0.31)*10*100=$370
もし05/27の引けでSPYが207ドルを超えると...
SPYを206ドルで1000株買わされ、同時に、207ドルで1000株売らされることになります。1000ドル儲けますね。でも当初に370ドル払ってるので差し引きの利益は630ドルとなります。
もし05/27の引けでSPYが206ドルを割ると...
206.00Cも207.00Cも紙くずとなるので当初に払った$370は全損となります。
もし05/27の引けでSPYが206ドルと207ドルの間に収まると...
終値にもよりますが、370ドルの損失〜630ドルの利益の間のいずれかになります。
Bearish Call Spread
方法: 価格Xのコールを売り、Xより高い価格のコールを買う。
例(面倒なので手数料や税金は省略してます):
- 05/27 SPY 206.00Cが$0.68。これを10枚売る。
- 05/27 SPY 207.00Cが$0.31。これを10枚買う。
- トレード時に受け取る代金(Credit)は (0.68-0.31)*10*100=$370
もし05/27の引けでSPYが207ドルを超えると...
SPYを206ドルで1000株売らされ、同時に、207ドルで1000株買わされることになります。1000ドル損しますね。でも当初に370ドル受け取っているので差し引きの損失は630ドルとなります。
もし05/27の引けでSPYが206ドルを割ると...
206.00Cも207.00Cも紙くずとなるので当初に受け取った$370が利益となります。
もし05/27の引けでSPYが206ドルと207ドルの間に収まると...
終値にもよりますが、370ドルの利益〜630ドルの損失の間のいずれかになります。
Bullish Put Spread
方法: 価格Xのプットを売り、Xより低い価格のプットを買う。
例(面倒なので手数料や税金は省略してます):
- 05/27 SPY 205.00Pが$1.09。これを10枚売る。
- 05/27 SPY 204.00Pが$0.72。これを10枚買う。
- トレード時に受け取る代金(Credit)は (1.09-0.72)*10*100=$370
もし05/27の引けでSPYが205ドルを超えると...
205.00Pも204.00Pも紙くずとなるので、当初に受け取った$370が利益となります。
もし05/27の引けでSPYが204ドルを割ると...
SPYを205ドルで1000株買わされ、同時に、204ドルで1000株売らされることになります。1000ドル損しますね。でも当初に370ドル受け取っているので差し引きの損失は630ドルとなります。
もし05/27の引けでSPYが204ドルと205ドルの間に収まると...
- 終値にもよりますが、370ドルの利益〜630ドルの損失の間のいずれかになります。
Bearish Put Spread
方法: 価格Xのプットを買い、Xより低い価格のプットを売る。
例(面倒なので手数料や税金は省略してます):
- 05/27 SPY 205.00Pが$1.09。これを10枚買う。
- 05/27 SPY 204.00Pが$0.72。これを10枚売る。
- トレード時に支払う代金(Debit)は (1.09-0.72)*10*100=$370
もし05/27の引けでSPYが205ドルを超えると...
205.00Pも204.00Pも紙くずとなるので、当初に支払った$370が損失となります。
もし05/27の引けでSPYが204ドルを割ると...
SPYを205ドルで1000株売らされ、同時に、204ドルで1000株買わされることになります。1000ドル得しますね。でも当初に370ドル支払っているので差し引きの利益は630ドルとなります。
もし05/27の引けでSPYが204ドルと205ドルの間に収まると...
終値にもよりますが、370ドルの損失〜630ドルの利益の間のいずれかになります。
スプレッド取引の利点(そして欠点)は最大利益と最大損失がトレードを始める瞬間に確定することです。一発ホームランを狙いたい人には全く向いていません。(そしてホームラン狙いを続けると確実に損失は膨らみます)
でも損失を限定させたい人にはスプレッド取引は向いています。1トレードでの最大損失許容額を決めておけば、あとは勝率が上がるようなエントリを探せばよいわけです。自分が売られすぎとか買われすぎとかを気にするのはそのあたりに理由があります。
あとバイナリオプションでは「良くない噂」をいろいろと聞きます。実際に被害に遭った知り合いはいませんが、CFTCはバイナリオプション業者に関する注意喚起を出しています。具体的には「アカウントの出金に応じない」「個人情報抜き取り」「ソフトウェア操作でわざと損失を与える」などの手法が紹介されています。
バイナリオプションに興味あるのなら怪しい業者を使わずに、信用できる証券会社でオプションアカウントを開設し、スプレッド取引で堅実にトレードすることをお勧めします。
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